自由の砦 11月10日号 第106号

国民世論のブーイングで閉幕

選挙法改悪をもくろむ公明党の陰謀と破綻

 国家的危機の最中に姑息な駆け引き
       国民無視の公明に厳しい監視の目を!
       
 選挙法改正は合意事項≠ニ公明
       首相は「慎重に」と指示したが・・・

   アメリカでの、同時多発テロ事件以来、我が国の政府も議会も、アメリカ軍の後方支援のための自衛隊出動をめぐり、苦しい対応を迫られている。
 これに国民世論の目がくぎ付けになっている中で、創価学会・公明党は、政権与党としての使命はそっちのけで、ひたすら党利党略・私利私欲のために、とんでもない陰謀を着々と進めた。
 この背景として、先の総選挙は小選挙区制のもとで行なわれたが、公明党は、選挙区選挙で壊滅的な敗北をこうむった。
 一選挙区一人が当選者となる小選挙区制のもとでは、ほとんど勝ち目がない、ということを思い知らされた創価学会・公明党は、生き残りのため、密(ひそ)かに、中選挙区制への復帰≠画策した。
 中選挙区制への復帰は、都市部で、これまた壊滅的な敗北を喫(きっ)した自民党にとっても、極めて有利に動くところから、自民党と公明党は、連立′巨ャにあたっての合意事項とした。以来、密かな連携のもと、その実現のための密議を重ねてきた。
 折から、国勢調査等の結果に基づき、一票の格差≠少なくするための議席配分の見直し作業が行なわれ、全国的に、各都道府県の間に五増五減≠フ定員是正が行なわれる案が選挙制度審議会で煮詰まり、議案として国会に提出される運びとなった。
 公明党は、これに異議を唱え、政府作業の凍結を要求するとともに、都市部を中心に、三人以上を定員とする中選挙区制≠導入するよう、自民党に強力に働きかけた。
 自民党では、野中広務氏らを中心に、橋本派が軸となってこれに積極的に呼応する動きがあり、自・公幹事長の話し合いで、その原案が決まった。しかし、これについて、自民党内では、圧倒的に反対意見が強く、とうてい実現困難なことが明らかになった。
 そこで、さらに自・公間で調整が行なわれたが、公明党は
 「中選挙区制案を自民党が拒否するなら、公明党は連立を解消する。今、国会で審議中の、自衛隊海外派遣のための法案にも反対する」 と、強硬な最後通告を突きつけた。
 このため、自民党内では、さらに野中広務氏らが中心となって、新たな妥協案作りが行なわれた。
 その結果、改めて与党間協議が行なわれ、自・公・保三党の幹事長の間で、新たな合意案が成立した。
 その内容は、都市部において二〜三人区を十四選挙区つくるというもので、公明党は、それを、十月いっぱいに確定することと、期限を区切って強く実現を迫った。
 これに対しても、自民党内は反対意見が強く、幹事長の意見聴取に対し、当該選挙区の七人の議員のうち、五人が反対、二人が党の決定に従う、と回答した。
 小泉首相は、当初から批判的で、新たな合意案に対して聞かれても、
 「まったく白紙だ。党内に反対意見が多いし、民主党の意向も聞かなくてはならない」 と、慎重な取り扱い≠指示し、今国会での改正案成立に消極的な態度を示した。

 公明のワガママに与野党が大反対
       大手マスコミも「党利党略」と

 しかし、この小泉発言も、森前首相から、
 「中選挙区制導入は、連立に当たっての自民党と公明党の約束事であり、政党間の信義の問題だ。連立維持を最優先させるべきだ」 との強い示唆を受けて、姿勢を一変させ、幹事長に
 「党内を早急に取りまとめるように」 と指示した。
 この、中選挙区部分復活≠ノ対しては、自民党内の大勢の他、民主・共産・自由の各野党も、口をそろえて猛反対。
 自民党内の反対意見は、
 「ただ、ひたすら公明党のための改革で、正当な理由が見当たらない。党利党略以外の何ものでもない」
 「大義名分も、必要性もない」
 「国民に対して恥ずかしい」
 「公明党が連立を離脱するというなら、それでいい」 等と言い、民主党も、
 「ひたすら連立維持のための党利党略で、選挙制度の破壊につながる」
 「見るに堪(た)えず、聞くに堪えない政治の堕落」 等と絶対反対を言明している。
 共産党の志位委員長は
 「公明党の、公明党による、公明党のための改正案≠ノ、自民が追従したものだ」 と手厳しい。
 かつて、公明党や保守党も参加した細川政権のもとで、市川雄一元公明党書記長らといっしょに政治改革のため≠ニの大義名分をかかげ、小選挙区制を実現した自由党の小沢一郎党首は、
 「まさに政権末期症状だ」 と、次のように述べている。
 「前回の総選挙で惨敗した公明党が、自分たちが勝てるように選挙制度を変えようと強く主張し、創価学会票に依存している自民党は、学会票欲しさに同調している。そのために、一票の格差を是正する政府の選挙制度審議会の答申まで凍結しようとしている。  これは、自分達の目先の利益ばかりを優先して、国民不在の極みだ」
 「特に公明党はおかしい。  これまで、創価学会がかかげる平和主義を踏襲し、自衛隊の海外派遣に慎重な姿勢を示していたのに、今回のテロ対策特別措置法の審議に当たっては、自分達にとって都合の良い選挙制度を実現するためか、大した議論もなく自衛隊の海外派遣を認めてしまった」
 「自民党の利己主義もひどい。昨年も、自分達に有利になるよう、参院比例区に非拘束名簿式を強引に導入したばかりだ。  選挙協力が欲しいからといって、好き勝手に選挙の土俵を変えるようでは、民主主義に反する」
 「政権与党は、自らの政策実現が思う存分できるのだから、いい政治さえすれば、国民の支持は集まる。小選挙区制を恐がるなんて政権与党の末期症状であり、自己崩壊の過程といえる」
 新聞論説も、こぞって反対意見や、危惧を示した。
 「大義名分・原理原則がない」
 「市町村の行政区分が分断されているのを解消する、ということを大義名分にしているが、他の区では分断選挙区が残るし、新たに分断される市もあるから、この名分は失われる」
 「同じ選挙に小選挙区と中選挙区が混在することは、有権者にとって、法の平等にかかる問題である」
 「中選挙区では、小選挙区よりもはるかに少ない得票数で当選できる、という不公平が生じる」
 「公明党が、もし自民党が中選挙区制導入に応じないなら、自民党が検討している、国連平和維持活動(PKO)協力法改正に賛同しない、といっているのは、議会民主主義の土俵である選挙制度を、別の問題とからめて政党間で変えさせようとするものであり、許されることではない」
 「自分達が七年前に決めた制度を、自分達の都合で変える。こんな身勝手なことは許されてはならない」
 相撲で勝てそうにないから≠ニ、丸い土俵を、自分のうしろだけ大きく広げるような、野球でホームランバッターの多いチームが、球場を極端に狭くするような、超手前ミソの選挙制度改悪を、国家の重要課題であるPKO協力法案を人質にとってまで、ゴリ押ししている創価学会公明党に対して、政界も世論も、こぞって反対を表明したのである。
 その中で、学会票欲しさの自民党中枢や橋本派が、公明党の走狗となって、無理やり実現に協力してきた、というのが、実際の構図である。

 世論に押され一年間の棚上げに
       今後も公明の野望を厳しく監視

 振り返ってみれば、自・公§A立実現の際も、故小渕前首相以下、自民党首脳と橋本派主導のもと、党内や国民世論の強い反発を押し切って強行した。
 そのツケが、先の総選挙での大敗となってあらわれた。
 自民党首脳は、どうも、この教訓から学ぶつもりはないらしい。
 「小泉人気で参院選は勝てたが、小泉流の改革は実現できないし、させるつもりはない。  人気は一時的なもの、どの道、自民党支持の低落化は避けられないから、創価学会票を手放すわけにはいかない」 というのが、彼らの本音らしい。
 国のためになる政策、国民が喜び納得する政治をするつもりがなく、利権政治、汚職政治を続けて、ひたすら国や国民を喰いものにする、と腹を決めている政治家達にとっては、選挙制度は、国民の意志を正しく反映させる≠烽フであっては困るのだろう。
 むしろ、国民の意志を曲げ、自分達が多数当選できる制度≠アそ、彼らの狙いというべきだ。
 今回の、中選挙区制導入の問題は、このことをはっきりと国民に示す出来事である。
 そして、創価学会・公明党は国民の意志が正しく選挙結果に反映されればつぶれるしかない存在であり、それ故に、国民の意志を選挙制度で操作しすり替えて、国民の支持が少なくても組織力にものを言わせて当選できる方法を、なりふりかまわず追求していることを、国民は、よくよく見極めなくてはならぬ。
 独裁者や、政権末期の支配者が、何とか生き延びるための手段として、選挙制度に細工するのは、常套(じょうとう)手段である。
 例えば、選挙権を己れの 支持勢力に限定して与える方法で独裁を続けた、インドネシアのスハルト首相や、かつての共産圏の首脳達。
 自分達に有利な選挙区の線引きをして、今なお悪名高い、アメリカのゲリマンダー。
 今日の日本でも、保守色の強い地方には、選挙人少人数の選挙区をたくさん作り、反対に、保守離れが進んでいる大都会では、十数倍もの選挙人が、同じ一議席しか選出できないという、不公平、非合理な制度が存在しているのである。
 今回の、公明党のため≠フ選挙区いじりは、その上、さらに、不公平を増長させる。
 このような与党≠ェ国民に見放されていくのは当然の成り行きではないか。
 さすがに、自民党内でも、
 「こんなことをやれば、国民に見放される」 ということに気付いた議員が多数を占め、十月三十一日現在で、選挙制度の問題は、一年間タナ上げにする、ということが、与党幹事長の間で合意された。
 結局、一連の騒ぎは、創価学会・公明党のエゴのいやしさ、政治私物化の野望の危険さを、改めて国民に印象づけるとともに、自民党の、学会票欲しさから創価学会・公明党の言いなりになろうとするだらしなさ、卑しさが、改めて露呈される結果に終わった。
 本番前の一幕は終わったが、創価学会・公明党は、けっしてあきらめたわけではない。
 新たな国難に直面した時、あるいは、自民党がピンチに陥った時につけ込んで、何としても中選挙区制にしようと、執念を燃やしている。
 我々は、このような悪行を絶対に許さぬため、さらに、厳しい監視を続けることが必要である。  
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